44人が本棚に入れています
本棚に追加
話を戻しましょう。
前世から今世へと転生し、覚えている限りでは二度目の人生を送る私ですが、まさか就職先にかつての恋人がいるとは思いもしませんでした。
それも前世とは真逆の、年上で上司(この会社の長)という立場の彼。
愛しい元恋人の登場に、始めは驚いたものです。
再び、甘いロマンチックな関係を築けるかもしれないと、胸躍らせました。
……ですが、まぁ。
相手にも前世の記憶があるとは限らないわけで。
『……おい新人秘書、なにボーッとしてる。社長である俺への挨拶はどうした』
『えっ?』
『えっ?じゃない。俺は、今日からお前が仕える立場である、社長の大和田だ。新しい秘書は挨拶も出来ない奴なのか?』
『あ、えっと、み、御堂です……』
最初のコメントを投稿しよう!