前世の記憶

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話を戻しましょう。 前世から今世へと転生し、覚えている限りでは二度目の人生を送る私ですが、まさか就職先にかつての恋人がいるとは思いもしませんでした。 それも前世とは真逆の、年上で上司(この会社の長)という立場の彼。 愛しい元恋人の登場に、始めは驚いたものです。 再び、甘いロマンチックな関係を築けるかもしれないと、胸躍らせました。 ……ですが、まぁ。 相手にも前世の記憶があるとは限らないわけで。 『……おい新人秘書、なにボーッとしてる。社長である俺への挨拶はどうした』 『えっ?』 『えっ?じゃない。俺は、今日からお前が仕える立場である、社長の大和田だ。新しい秘書は挨拶も出来ない奴なのか?』 『あ、えっと、み、御堂です……』
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