ハロウィンに集まりし忍者

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テーブルに座っていた人達も、ダンスが始まるのか徐々に移動し、気付けばカボチャと私達忍者グループだけが残されていた。 「なんだお前ら、団子やら菓子やらムシャムシャ食いやがって、品がないんだよ貧乏臭い!」 人が居なくなったのもあり、さっきのお返しも兼ねすぐに言い合いに参戦する。 「あれ~?八つ当たりぃ?フラレた腹いせに女性に暴言吐くようなカボチャは、忍者じゃないよね」 「ゴールドのバンドしててもカボチャなんだよ!」 瑠里はゴールドのプレートをしている奴はすべて気に入らないようだ。 「チッ!生意気な女だな、お前らもダンスの相手いないんだろうが」 振り返りざま椅子から立ちあがったカボチャに、妹は鼻で笑い言い返した。 「最初から参加する気ねーんだよカボチャ猿!パンのクジ引いて帰ろう姉さん、なんかいい商品当たりそうな気がしてきた」 「そうだね、パンが沢山当たるといいねぇ~」 ニヤリと笑って席を立つと、カボチャの忍者は私達の行く手を阻み勝ち誇ったように腕組みをしている。 「あんなショボイくじで浮かれてる貧乏忍者よ、俺に協力してダンスに参加したらパン山盛りやるぞ?」 「舐めるでないわ!食べ物でつられる訳ないだろうが」 「ふふん、知らんのか?優勝したら豪華景品、その他の様々な商品貰えるのに勿体ないな~」 瑠里の足がピタッと止まるが、私が腕を引っ張るとカボチャは更に条件を引き上げてきた。 「更にお前の好物も付けよう。参加するだけでも損はないし、クミちゃんのパートナーを見るだけって簡単だろ?」 手は振りほどかれ、完全に足を止めた瑠里はカボチャに向かって返事をした。 「御意、因みに好きな食べ物は肉なんで、上ロースでお願いします」 「承った、いざ会場に向かおう」 カボチャの後ろを歩き出した瑠里に、溜め息を出しながら仕方なくついて行く。 あれだけ悪口を言っていたのに、すぐに物品に釣られてしまうのは私達一家の弱みだと言える。 いつもキツネに騙されているが、今回は忍者姿でカボチャの目指し帽の怪しい奴だ。 釣られるのは毎度の事だが、参加するだけでもパンが貰えるので、カボチャを利用したんだと自分の中で無理矢理納得させた。
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