ハロウィンに集まりし忍者

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「吸血鬼メイクバッチリですね、本物かと間違うくらい似合ってますよ~」 ギロッとリーダーに睨まれたが、知らんぷりして踊っていた。 ところが急にパートナーが足を引っ掛けて転びそうになり、思い切りドンっと相手の胸に当たってしまった。 「他の男性に気を取られたよね、胸に飛び込んできたのは抱きしめてって合図?」 「滋……さん?カボチャの目ざし帽だし、全くしゃべらないし気づかなかったんですけど」 「百合ちゃん達の姿が見えたから、チビカボチャ慰めるフリして便乗してた」 瑠里とカボチャはギコちなくも一生懸命踊っていて何だか微笑ましい光景だ。 でも滋さんはバレた途端、無理なステップで足を引っ掛けたり、両腕を掴んで振り回したりダンスどころではなかった。 「ちょっと無茶しないで下さい、そんなに踊れませんから!」 「よし、ステップが難しいならチークダンスに切り替えよう」 抱きしめるような格好で踊り出す滋さんだったが、次の瞬間ガツッと頭上で音がすると、後頭部を押さえ手が解かれた。 「痛ってぇ……!」 「どうしたんですか?」 目ざし帽を取ると金色の角のような物が微かに刺さっていた。 思わず回りを見ると田村さんの甲冑の片方の角が折れていて、華麗に踊っている木村さんにウインクされた。 「ーーグホッ!」 また何かをぶつけられたのか、今度はお腹を押さえ蹲っている。 ハツさんとカボチャペアが近くでターンをキメると、石のような物が転がっていた。 「あいつら……容赦ねぇな」 監視の目が厳しいので滋さんは大人しく私の手を取り、普通に踊り始めコソッと耳元で囁いてくる。 「木村さんとばあさんは怖いな、でも障害がある程二人は燃えるよね?」 「いや……無理ですね」 バッサリと言いきると曲が止み、ふてくされた顔の滋さんとのダンスタイムは終了した。 瑠里達はきちんと踊っていたので、終了の挨拶で締めカボチャにリードされこちらに向かって歩いて来る。 「姉さん、そろそろ帰ろう」 瑠里がカボチャの手を離すと、ハッとしたように呼び止められた。
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