ハロウィンに集まりし忍者

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「あのね、爆弾もだけど回りの迷惑とか考えて使ってね、メンバーが負傷したら本末転倒だからね」 「分かってるって」 かしわ餅を消した瑠里がドアの方を見ると、リーダーと啄に滋さんが入ってきた。 「お疲れ~、トレーニング中ごめんね、ちょっと話があって」 滋さんはニコニコしているが、啄とリーダーの顔色は冴えない。 いいニュースじゃないと分かったが、床に座りとりあえず聞く姿勢は見せておいた。 「金刺繍を受ける資格を得るための合宿してるんだけど今回は脱落者が多くてね、そこで無色チームも飛び入り参加してみない?」 滋さんの背後で手でバツマークしているリーダー達に言われるまでもなく断るつもりだ。 刺繍に色を付ける気はないし、まだ経験不足や反省点も多々ある。 「お断りします」 「そういうと思ったんだけど、今回は金と言ってもまだ初心者的な感じだし、君らも腕を上げるいいチャンスだと思うよ」 腕を上げるという言葉にリーダーは反応したみたいだが、啄と私達は興味がないし初心者と言われても金という事に変わりはない。 「金もランクあるんだよ、因みに俺は一番上だけどね」 滋さんのプチ自慢が入る中、私は啄をジッと見つめていた。 怪かしの件もあるし、もし戦う気なら今よりは動けるようにならないと返り討ちに合うのがオチだ。 「リーダーと啄は参加したら?特にボンレスはちょっと鍛えないと、無色チームでさえ毒薬以外は足手まといになるよ」 いつもなら言い返してくるが、私が無我の事を言っているのだと気づいたらしく黙って下を向いた。 「別に資格を得ても試験受けなくていいし、訓練して貰えるチャンスだよ?それに残ったらプチボーナスも狙えるかも」 私達もピクッと動いたが、怖い合宿に参加する位なら自腹でお金を貯めて墓石の修理とイナリのベッドを買う方がリスクが少ないと頭の電卓が弾かれた。 「まだ新人ですし……遠慮します」 瑠里も頷き一緒に立ち上がると、啄が焦って呼び止めてきた。 「おいお前ら、俺が参加するなら協力しろ、してくれたらプチボーナス30万出すぞ」 瑠里はチラッと啄の顔を見たが足は止まらなかった。
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