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「四人一グループに別れ、練習用双棒で紐を出し、ジャンプした者からスタート。今まで通り山の上の旗を取れば終了、では開始して下さい」
滋さんの合図で皆グループを作り、双棒を操って紐のような物を出し始めている。
私達とグループになる者は勿論居ないので、暗黙の了解で無色チームが取り残された。
「お待たせしました、ナビのいっ君でぇっす。はい、これ双棒ね」
忍者姿にカボチャの目ざし帽だが、どう見ても社長だし自ら『いっ君』と言っている。
ちょっと顔を見ないからホッとしていたのに、やっぱり登場してくる所がイラッとする。
瑠里は早速かしわ餅を出して捏ね始め、縄跳び風に伸ばしている。
一つ作るとちぎって啄に渡し、順応の早さに焦り始めた。
「姉さんも早く出してリーダーに渡せば?いつも針金出してるじゃん」
周りの人は紐のような物に光を帯びたような綺麗で細い縄を出し、ジャンプを始めている。
私も意識を集中させるがどうも上手くいかず、針金すら出てこないしリーダーも苦戦していた。
瑠里は白い粉を撒き散らしながら飛んでいて、啄は手にくっつくのを嫌がりながら渋々飛んでいる。
『マズい何とかしないと……縄、縄!』
強く想いを込めると勢いよく双棒から太い紐状の物は出たが、ドンと目の前の壁に突き刺さり引っ張っても抜けなくなった。
「あっ縄でたじゃん、もう少し下がって長縄にしたら皆で跳べるよ!」
縄は薄っすら金色と青色の光を帯びているが、どんどんと太くなり根を張ったようにビクともしない。
妹は縄の中に入ると私も後ろに下がり、長さを伸ばして回しつつ自らも飛びリーダーも入ってきた。
「もっと細く出来ねーの?大縄跳びだよなこれ」
「そう言われっ…ても私だって…」
跳びながら会話してると、ナビ役もリーダーの後ろでジャンプしていた。
「全員跳んだのでスタート出来まっす!」
縄を消すと壁に穴は開いていたが、放置で皆と走り始めた。
他の者は達成し既にいないので私達はかなり出遅れた事になる。
巻き返そうとスピードを上げるが、次の難関は啄だった。
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