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帰りの車の中で妹が、最悪別に貯金して何カ月後にでも墓石の下を直そういう事で下見は終わった。
外出したので母の土産は、最近お気に入りのピザとペットショップで買ったイナリのオヤツ。
車を駐車場に止めると、コンビニから戻ってくるリーダーとバッタリ出会った。
「おぅお疲れ、明日はどんな格好で行くんだ?俺はもう面倒だからドラキュラ的なもんで誤魔化す」
「自前でもイケるんじゃないですか?例えばチンピラとか、脱獄犯とか色々ありますよ」
「余計なお世話だ、俺はトレーニングしてからそのまま参加する」
顔に似合わず真面目なリーダーに感心しつつ別れ階段を上がった。
家に戻ると瑠里は忍者探偵Xの衣装を取りだし、私には新人忍者茜の衣装を準備しハンガーにかけている。
「マジでその格好で行くの?ちょっと恥ずかしいんだけど」
「大丈夫だよ頭巾で目しか見えないし、茜ちゃんは顔出るけどポニーテールにしとけば問題ないから」
手裏剣のバッチを胸につけ、オモチャの刀や頭に巻くバンドまで点検をしていた。
「本当は頭の飾りはゴールドがいいんだけど、プラス800円だったから普通仕様にしたんだよね」
原作の漫画もアニメも見てないのでよく分からないが、一応妹なりに節約して購入したみたいだ。
忍者探偵Xは黒の上下、茜ちゃんは黒のくのいちスタイルだが、色が抑えられていてまだホッとした。
下は短パンだがレギンスを足したら誤魔化せそうだし、イメージだとピンクの忍者服だったので、それだと絶対拒否していた。
母はピザを頬張り、イナリもオヤツをガツガツ食べていつもの光景だったが、私は啄に怪かしについて話そうかどうか迷っていた。
立花の一族なので社長達から耳に入るかもしれないし、監視役だったらすぐに知るかもしれない。
勝手に木村さんと啄が監視役だと決めつけているので確信はないが、啄が狙っている無我は怪かしと似ている所が多々ある。
まだはっきり決まった訳ではないし、下手に伝えて啄が調べ始め、動きがなかった怪かしを起こすような真似もしたくない。
様子をみようでとりあえず納得し、その日はベッドに横になった。
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