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そんな事を言ってる間に、一行は訪問リストの最初の家に到着した。
まずはみんな一緒に、玄関先でキメ台詞。
「「「トリックオアトリート！ 清水画伯ー♪」」」
パシャ。
ほどなくして、天才画家、ホマレーヌ清水画伯が顔を出した。
「……なんじゃ、お前ら。タイプの違うミカちゃん人形二体と、ホネの猫……そっちのは……わかった、寅さんだな!?」
「誰が寅さんチョメ！ お菓子をくれなきゃ、画伯の描きかけの絵をレロレロしてやるチョメ」
「そうニャ。お菓子をくれなきゃ、ハロウィンの起源についてのうんちくを朝まで語ってやるニャリ」
「頼むからやめてくれ。……ほれ、頂き物だがマロングラッセだぞ」
おおーー！ と嫌がらせ集団から感嘆の声が上がる。
お菓子を貰ったらキチンとお礼もね。
「「「ありがとう、清水画伯♪」」」
「うむ……それはいいんだが。……チャーコ、お前の仮装はソレ……なんだ？」
「ケバブ」
パシャッ。
「ケ……？」
清水画伯に微妙な疲労感を残し、今年も一行は次々と訪問先でインパクトのある爪痕を残していった。
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