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「お菓子をくださらないと、おばあさんの編みかけのマフラーをふわふわに毛羽立たせちゃいますふわー」
「それはやめておくれー。孫のクリスマスプレゼントにしたいんだからさ」
「じゃあ、あたしは……お菓子をくれないと、このスランバをここに置いてっちゃうわよ♪」
「ええっ! お嬢!?」
「それはたいそう邪魔だのう」
そしてまた笑い声。
パシャッ……。
「オレは……そうニャ。お菓子をくれニャいと、もう囲碁のお相手は辞退させていただくニャ」
「おおう、それはいかんぞヌコリン。この前の雪辱を晴らせなくなってしまうじゃろ」
……パシャ。えぐっ……ぐしゅ。
ずびびちーーん!
「ほぅら、たい焼きだよ。みんなでお食べ」
そうして、ひとりのおばあさんが差し出した袋を、職員さんが受け取って渡してくれる。
たい焼きはまだ温かかった。
「まだ歩ける奴らでな、チャーコちゃんたちが来る時間に合わせて買ってきたんじゃよ。ケアさんたちも付き合ってくれてなぁ」
その言葉に、チャーコはうつむいた。
「……カイとハチが、貰ったお菓子はお家に持って帰ってから食べなさいって言ったプギ……」
「そうニャ。でも持って帰ったら冷めちゃうニャリ」
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