28人が本棚に入れています
本棚に追加
たくさんのしょぼついた目が、期待のこもった視線を送ってくる。
「……そうだぉね! 冷めちゃったら勿体ないプギ。いただきまーす♪」
「「「いただきまーす! あ、おいしーい……」」」
パシャッ! パシャパシャ!
パシャパシャパシャ……
また来年ね。
去年もそう言ってみんなうなずいてくれたけれど、何人かのお年寄りは見当たらなかった。その代わりに、初めて見る人もいた。
それでもチャーコたちは、きっと来年もここを訪ねる。
仮装に気合いを入れて、元気100%のトリックオアトリートを届けに。
最後の訪問を終えたチャーコたちは、カイとハチの待つ家の玄関に帰って来た。
全員、仮装はまだ二人には見せていない。
ビックリさせる相手のラストを飾るのは、毎年カイとハチだから。
「たっだいまープギ! トリックオアトリート」
「「「トリックオアトリート!」」」
すぐに玄関を開けてくれるハチ、続いて後ろからカイもやって来る。
「……ぷはっ! なにそれ、あんたたち。また今年は意表をつい、た……」
「おー、おかえりチャー……コ……」
ハチとカイがチャーコを見つめて息を飲む。
最初のコメントを投稿しよう!