39人が本棚に入れています
本棚に追加
「おう、そんなことも言ってたらしいな。だからいなくなったってだけならまだ良かったんだが、一番小さなヤツとはいえ宝石と金に手をつけたとあっては見過ごすわけにもいかん」
リュックの証言を受けてアグリスは冷徹に貴族に仕える者として判断を下す。
「金と宝石って……!何かの間違いじゃ無いのか?ルイーザがいなくなったのと宝石が無くなったのは別口かもしれないだろ!?」
俺の咄嗟の反論にもアグリスが動じる気配は無い。
「移転でゴタついていた隙をつかれたのは認めるがな。それに関しては目撃した者もいる。すばしっこくて追いきれなかったらしいがな」
新たに告げられた情報にショックを隠しきれない。
なんだってそんなマネを……!
「なるほど。それでアグリス様?見過ごすわけにはいかないと仰いましたな?」
リシャールさんは冷静に対応を訪ねている。
なんでそこまで冷静になれるんだよ?
「ああ、お前たちを呼んだのは他でもない。フィラントロピア家家臣として、罪人ルイーザを追跡、これを処刑せよ。罪人を見過ごしたとあっては示しがつかん」
無情なる宣告が下された瞬間だった……。
最初のコメントを投稿しよう!