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「ディス子、聴こえるか。」
「大佐!」
大佐からの入電だ。大佐の顔がUFO内のモニターに写される。
「よいか、地球と我々は公的には接触していない。気付かれぬように気を付けるのだ。過去に様々な部隊が偵察に際して地球人の目に触れてしまっているが、地球人の厚意なのか未確認飛行物体として穏便に処理されている。それに乗じて地球に潜入するのだ。お前に潜入してもらうのは日本という国だ。日本は現在夜、そうなるように時間を調整しておいた。宵闇に紛れて地球に降り立て。」
なるほど、大佐も色々手を回してくれていたのか。思えばこの変態…いや、ジュラルミンも大佐の親心というものかもしれんな。
この際、ジュラルミンの性癖は多目に見て大佐に感謝しないとな。
「サー!了解しました!大佐!」
「だから、その「サー!」は止めい。…そろそろ地球だ。通信を地球人に気付かれたら厄介なのでな。これで終わるが…」
大佐は寂しそうな表情をしんみりと浮かべた。
「気を付けて行け。必ず無事で帰るのだぞ。」
「大佐…サー!イエッサー!」
大佐に敬礼!ディス子、行って参ります!
「だから…サーは…ザザッ…ブツ…」(通信遮断)
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