神と崇められる男

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べちゃりと皿の中に広がる、汁身を帯びた肉の塊。 それは犬が食する事に値する、ドッグフードのようだ。 美沙子は涎を垂らし、温もりのないそれを見詰める。 「…さぁ、お食べ」 男はもう一度、美沙子の頭を優しく撫でた。 犬で言うところの、お預け状態を喰らっていた美沙子は、待ち望んだ言葉を聞き、皿の中に頭を突っ込んだ。 そこには異性の前で食事をする女の姿は無く、一心不乱にエサを喰らう姿だけがあった。
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