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私がふと気付くと、知っているようで
見たことのない場所に立っていたよう。
男と思われる二人がこちらに近づく。
私はよく分からないが身の危険を感じる。
「なぁ…レイジ、本当に出来るのか?」
片方の、高校生くらいに見える男が呟く。
レイジと呼ばれた、大学生くらいの男に
何か訪ねているような雰囲気だ。
「ナル。あの人に頼んだんだ。出来るさ」
レイジは、ナルと呼ばれた男に確信めいて
自信ありげに力強く答えていた。
…レイジの方はちゃんと姿・形がはっきり
しているが、私の目が悪いのかナルは少し
ぼやっとしており声の感じでしか判断出来ない。
私はナルの姿をよく見ようと、掛けている
眼鏡に手を伸ばしてみると手に感触がある。
私は小学生の頃から眼鏡を掛けているので
場合によっては、眼鏡を外していても自然に
眼鏡を直そうとして空振りする場合もあるが
そんな事は無かった。ちゃんと掛けている。
「ここはヤツが創造した世界だ。
記憶の中に埋もれているかも知れないが
断片を探れば思い出すはずだ。それに
あの人が言うなら間違いないだろう…」
レイジの言葉の中に登場する「あの人」とは
誰なのか?私の知っている人物なのか?
それとも全く知らない架空の人物なのか…?
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