零・ProRogue(プロローグ)

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「漫画+ゴミ(ガーベイジ)を意味する 今からざっと20年も前に作り上げた世界だな」 レイジの言葉を聞いてようやく思い出す。 私が絵が描けるのを過信して、同人でない 漫画出版社に送る前に考えた案の一つだ。 ありとあらゆる、漫画創世記から現在に 至るまで、有名な作品から駄作(失礼)に 至るまで、それこそ読み切りも含めた 全ての漫画作品が捨てられている領域。 それが、漫画無領域(マンガーベイジ)だ。 (今考えると、どうかと思う設定デス) 「…そうだ。僕たちがここに来たのは レヰヂ、お前に捨てられたからだっ!」 私を指差して、集中線が刺のように 刺さる程劇的に、そしてSE(効果音)で 「ズギャアァン」と書かれているのでは? と思ってしまうくらいに、断言される。 私の顔も変顔のように歪み、そして 劇画タッチで背景がベタで塗られている くらいに、立っている場所が暗転する。 (…えーと、想像して下さい。出来るだけ…) 「お前達を捨てた覚えはない。 まだ私の心の中で生きている!」 と、反論をしてみたいが更なる 追い撃ちを掛けられる事を危惧して 無駄な反論を試みる事はしない。 キャラがスッキリすれば成仏するだろうて。
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