零・ProRogue(プロローグ)

23/26
前へ
/63ページ
次へ
「レヰヂ、口を慎めっ!お前の頭の裏側に 存在する、レヰヂ程度の分際が気易く触れられる ような、下卑たキャラクターではないぞっ!」 私は、私が造ったはずのキャラに叱られる。 そんな不条理な事があってたまるかっ!と 反論したくなる気持ちはあるが、所詮は私。 私が、いつか、どこかで、メモにも書かないで 忘れ去っているようなキャラなのかもしれない。 記憶の深層に眠っていたキャラクターを 覚えているほど記憶力はよくもないし、 これまで造り上げたキャラクターは千を超える。 例えるなら、夏目漱石は「ホラーの書き手」 であった事はあまり知られていないだろう。 「吾輩は猫である」等の作品に少しばかり そうしたホラー要素を含んだ記述がある。 (「三四郎」の前に書いた「夢十夜」は かなりホラーよりの作品だと聞いてます) 芥川龍之介の師匠(23歳に師事しております) だから、夏目漱石が芥川龍之介に何かの影響を 与えた可能性を、私程度では否定出来ない。 憧れる人に影響を受けた作品になるのは 模倣や似せる事から始まる芸術の基本だ。 むしろ、そうした「心の支え」が無い人は、 作品を作る気力を失ってしまう事が多々ある。
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加