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とくに公園になっているわけでもなく、ちょうど六角形になった、窓もない町家の壁に囲まれた形の池には、岸からせり出すように大きくねじれた柳の大木が生えている。
一人ふたりだけでは抱えられないような胴回り。
どうしてこんなところに生えているのだろう。
見上げても天辺が見えない高さと、水面近くまで滝のように堂々と長く垂れ下がった枝ぶりは、相当な老木であるはずのこの柳が、少しも衰えていないことを物語っている。
入り口も出口もない不思議な池とねじれたような螺旋を描きながらそびえる大きな柳。
お遣いも忘れて、塔子は引きよせられていった。
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