水の記憶

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唯一我が家で母親が買ってきていないのがこのシエルだ。 いつもの散歩コースをマリンと歩いていると、普段は猪突猛進で止まることを知らないマリンが急に立ち止まり、茂みの向こうに駆けて行った。慌てて追いかけて行くと、マリンが何かを訴えかけるように吠えている。その視線の先にいたのがシエルだったんだ。 シエルにとってはマリンがお母さんみたいなものだ。ミルクは雄だから無理だけど、歩き方や食べ方を教えたのはマリンだ。いつどこに行くのも一緒で、寝るときも2匹並んでいる。 などと説明してるうちに早朝ワークを終える。マリンとシエルお待ちかねの散歩へと出掛けることにする。
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