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 少女はうーむと考え込み、案が浮かぶと、少年の肩を叩いてウインクした。  少年は気味が悪そうに少女を睨むと、少女はいつもの笑顔で、行きかう人々に言った。 「すみませ~ん、どなたか、このかっこいくて賢い少年より、もっと賢い男の人を交換して頂けませんか~?」 「えっ!?」  今までの少年の言動のどこを見聞きすれば、そのような発言が出るのか。少年には衝撃が走った。  とは言え、先程の金髪の少年とは違い、黒髪で大人しそうなその少年に、あながちでもなさそうな女性が寄ってくる。 「あら、可愛らしくて賢そうな子ね。うちの息子で良ければ、一日交換しませんか?」 「本当ですか! 是非ぜひどうぞ!!」 「ええっ!!?」  少女は少年を簡単に手渡すと、女性は少年の手を引き、代わりに、園児服を着た、茶髪頭の幼い男の子を少女の下へやった。 「今日は、このお姉ちゃんと遊んできなさい」 「はぁい! ママ!!」 「い、いや。俺は君の家に厄介になるはずじゃ……」 「ボク、行くわよ」  恨めしそうにブツブツと呟きながら、少年は女性に連れていかれた。少女は呑気に少年の手を振り終えると、次の少年へと声をかけるのであった。 (続く)
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