七つ星ランクの生徒会長

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「あっ――ぶねぇっ!!」  レイジは咄嗟に出した自分の周囲を囲む半透明な球体の中にいた。これは防御に特化した精霊である。地面に放射状に焼き付いた焦げ跡は真っ直ぐレイジの足元に向かっており、その球体の所で止まっていた。これに守られていなければ、確実に丸焦げにされていたであろう。 「やるなぁ。アスカ……今のは肝を冷やしたぜ。ちったぁ成長してやがんだな……」 「あったりまえでしょ? こちとら伊達に経験値ばかりあげてるわけじゃあないのよ。アンタとやり合うことを目的にしてるわけじゃない。……ちゃんと勝つことを目的としてんのっ!!」  しかし、どうやら作戦は失敗だったようだ。アスカはけろりとした表情であっさりと敗北を認めた。 「おまけに、実戦で精霊を三体同時召喚するなんてできなかっただろ?」  先程、かまいたちと鎧の騎士を召喚したアスカにエリシアが迫った理由がここにある。ファイブスターランクの召喚師の判断基準として、星の数イコール同時召喚できる最大数なのだが、それはあくまでも基準値であり、実際の実戦では使えたものではない。  精霊には二種類のタイプがあり、一つはクルやエリシアのような常時召喚するタイプのもの。  そしてもう一つはかまいたちやレイジがヨゾラの部屋の扉を破った際に召喚した爪のような一時召喚するタイプだ。レイジの空間移動やガーディアンポストによる雷撃をせき止めた球体もこれに当たる。
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