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なんだかんだで無事に桜花祭を終わることができた。
騒ぎ過ぎて疲れたのか、隣でクルが寝息を立てるのを静かに聞いていたレイジ。少し離れたところでは、お構いなしにドンちゃん騒ぎが繰り広げられている。
「ねぇ。このマナの木に、封印されているのよね?」
いつの間にか横に座って桜を見上げていたアスカが唐突に尋ねた。
「……ああ、俺の姉貴。黒神マナがな……」
そう。と一言だけ呟いた彼女はもう一度桜を見つめていた。
桜の花びらと騒がしい仲間たち。
レイジは改めてこの一カ月を思い出していた。
生徒会長なんて、ガラじゃねぇと思ってたけど――
「なんか、こういうのもいいもんよねっ……」
もともとレイジに無理やり連れてこられたクチのアスカもそうつぶやいた。
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