どこかで、どこかで、香ばしい葉っぱの匂いがする

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つかえがなくなると、今までの三ノ宮の風景や空気を思い出して……自然とやりたいことがわかりました。 私は楓さんに提案します。楓さんは、木漏れ日の光に手を伸ばしていました。 「楓さん、『坂のさか』に戻って紅茶を淹れたいです。楓さんにおいしい飲み物を淹れたいんです」 「ええ、加奈子ちゃんありがとう。なら私はフレーバーティーの『ひとやすみ』を淹れてほしいわ」 「はい!そういえば、楓さんは『ひとやすみ』という名前にしたんですか?」 楓さんは大きく息を吸う。白いリネンのカーディガンが柔らかくなる。 「加奈子ちゃん、ちょっと長くなるけどいいかしら?」 こくりとうなづく。こくりから、楓さんは緩やかな川岸みたいに、流れるように話す。
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