どこかで、どこかで、香ばしい葉っぱの匂いがする

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なにか。 見つけられたような、そうじゃなかったような。 楓さんには正直に伝えたい。 「よくわからないんです。もしかしたら、今の自分にはなにがいいかわるいかなんて、良し悪しなんてわかるはずないかもしれなくて」 「本当にそうかしら。加奈子ちゃんは、わかってると私は思うの。そうじゃなかったとしても、そんな日はいつまでも続かないわ。 ねえ、加奈子ちゃん。もう少しだけ、三ノ宮を回ってみない?きっと、楽しくなると思うから」 優しく、丁寧に櫛(くし)をいれるように、楓さんは言う。 心の中があたたかくなる。いつのまにか、あたたかくなってしまった。 「はい」あれっ、気付かない内に声が元気になっている。 こころなしか、足も軽くなった気がする。
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