賀川家の習性

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そんな真琴の両親を見て、古庄は出会ったばかりの真琴を思い出した。 口をきいても素っ気なく、目を合わしても仏頂面、まるで邪険にされているような態度…。 ――…俺に対するこの反応は、もしかして、賀川家の習性なのか……?! 古庄の額に、ジワリと冷や汗が出てくる。 真琴の場合、自分は大勢の中の同僚の一人にすぎなかったが、真琴の両親にとっては年頃の大事な娘が初めて連れてきた、ただ一人の男だ。 嫌われていたり悪意を持たれてたりするものでないことは、真琴の場合で経験済みだが…。 衝撃の度合いが違いすぎて、打ち解けてもらうには、真琴の時よりも時間がかかってしまうかもしれない。 それでも、古庄は勇気を出さねばならなかった。何よりも愛しい真琴のためにも。 真琴の両親に、自分たちの結婚を認めてもらわねばならない――。 意を決して、古庄は言葉を出すための息を吸い込んだ。 「おねーちゃん!!帰ってたんだ!おかえりぃ~!!」 突然、声が響いたと思うと、居間に14,5歳といったところの男の子が飛び込んできた。 「ねえ、ねえ!僕、今部活から帰ってきたんだけど。スクリューパス。僕、なかなか出来なくてさー。難しいんだー」 そう言いながら、古庄と並んでソファーに座る真琴の隣へとやって来て、わずかな隙間にお尻をねじ込んだ。
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