父親と婿

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朝食が済むと、正志は今日も午前中に部活があると言って、ほどなく出かけて行った。 スクリューパスが出来るようになったからか、その足取りは軽快で弾んでいた。 父親も本来ならば、こんな天気のいい休日には、トレッキングにでも出かけるのだろうが、今日は出るに出られないみたいだ。かと言って、古庄と話をするでもなく、昨日と同様、リビングで新聞を読んだりテレビを見たりしている。 このままでは、せっかくの休日なのに、父親は好きなこともできず、心身ともに休むこともできない…。そう考えた真琴と古庄は、とりあえず今日は帰ることにした。 「それじゃ、お義父さん、お義母さん。お世話になりました。ありがとうございました」 車に乗り込む前、古庄が律儀にそう言って、頭を下げる。 「いえいえ、何のお構いもできませんでした。また近いうちに来てくださいね」 母親はそう言って答えてくれたが、一緒に玄関先まで出てきてくれている父親は、やはり無言だった。 「近いうちに来たいけど、和彦さんの実家にも行かなきゃいけないし、もう少しすると週末には花園の予選も始まるから…、当分はきっと来られないと思う」 「あら、そう…」 頭の中で周到にスケジュールを組んでいる真琴が、これからの予定を打ち明けると、母娘ともども残念そうに眉を寄せた。
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