9:飲み込まれて

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「こら、もういっぺんじゃ……ひっ、あう!」 「場所は分かった。んじゃ次は……」  さっきの玩具を握り、そこへローションを塗りたくる海。 「やだやだ、やめろってば」 「大丈夫。これ、細めだし、そおっと入れるから」  拒絶してるのにお構いなしだ。向けられる玩具。先端が入りやすいように三角になってる。そのリアルな形状に顔から血の気が引いて行く。ズルリと抜けた指の代わりに当てられるゴムっぽい無機質な感触。俺は心の中で「ひー」と悲鳴を上げた。  得体のしれない冷たいおもちゃなんかより、海の指のが全然いい。そんな風に思っていても、なんなくそれはズブズブと中に入ってきた。 「わわわっ……海、やだよ、抜いてよ」 「そんな情けない顔すると、スイッチ入れたくなっちゃうな」  情けない顔って言われたのに表情を治せない。俺は眉を寄せ、海を見つめふるふると左右に首を振った。明確な拒絶の意思を伝えているのに、海はもっと目を輝かせた。 「可愛すぎ……孝宏」  海は俺のを扱きながら、手のひらサイズの何かを押した。カチッと音がして中に入ってるものがブルブルと震える。先端が、さっきのところに当たる。 「わっ、あう! はあ、うああ……や、かい」  その人工物は俺の中を掻き混ぜ刺激を与える。海は体をうねらせ泣き言を繰り返す俺のさまを、食い入るように見つめいていた。  もぉ、目が怖いよぉ! 「はあ、あう、……っ、は、か、海、はずして……おね、がいっ」 「うんうん。やめような?」  海は猫なで声で言うと、スイッチを押した。中のモノが静かになり、ズルリと取り出される。俺はホッと息を吐いた。でも、ホッとしたのも束の間だった。その次に入ってきたのはさっきのよりもっと大きくて熱い塊。 「は、あうわあああ」  海に肩をガシと抱かれ、逃げようにも逃がれられない。ズブズブと入り込んでくる海。皮膚はめいっぱいに広げられそれをしっかり咥えてしまっている。 「あ……孝宏……やばい。超気持ちいい……」 「かい、キツい……」 「うんうん。ごめんな? ゆっくり動くよ」
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