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圧迫感を感じながら目が覚めた。
目の前には壁。
……近い……。
「う……うぅ……せま」
窮屈な空間の中、なんとか体を開き寝返った。
部屋はすっかり明るくて、太陽の日がカーテンの隙間から射し込んでいる。光に目を向け、眩しさに目をしかめた。俺はギュッと目を閉じ、しばしばとまばたきを繰り返す。目を慣らし、ヘッドボードの時計を見ると正午をまわっていた。腰に乗っかる腕をよいしょとどかし、体を起こす。視界に入ったのは、全裸で爆睡している海。 びっくりして気が付く。俺も全裸。
……あー、またやっちゃったのか。
溜息をもらし、手のひらで顔を拭った。
二人で全裸ってすごく生々しい。そもそもなんで全裸? 全裸になる必要性があったのか?
考えたけど答えなどでず、そんな自分に自分でも呆れた。
爆睡の海を見下ろしながら、昨日のことを思い出そうとしたけど、クワンクワンと鈍いぼやけたような頭の痛みに阻止される。
「……なんも覚えてねーわ」
どれくらい飲んだんだろ。そんなにいっぱい飲んだっけ? ……飲んだのかもしれないな……。
シャワーへ行こうとして手を突き体の向きを変え、お尻を半分持ち上げた時だった。ズキッと体の中心に貫くような激痛が走った。
「はうっ!」
腕の力が抜け、そのままベッドに蹲った。
な、なんだこれ、いったいどうなってんだ。
ベッドの上でふるふる震えていると、隣で爆睡していた海が「うう」と呻いて仰向けからうつ伏せへと寝返りを打った。その手が俺を探すように大きくシーツの上を上下に動く。
トンと海の指先がお尻に当たる。海はうつ伏せのままズズッと身体をずらし、俺の腰に腕を巻きつけるとグイと引っ張った。またズキンとした痛みが走る。
「うがっ! やめろって!」
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