10:白い朝

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 圧迫感を感じながら目が覚めた。  目の前には壁。  ……近い……。 「う……うぅ……せま」  窮屈な空間の中、なんとか体を開き寝返った。  部屋はすっかり明るくて、太陽の日がカーテンの隙間から射し込んでいる。光に目を向け、眩しさに目をしかめた。俺はギュッと目を閉じ、しばしばとまばたきを繰り返す。目を慣らし、ヘッドボードの時計を見ると正午をまわっていた。腰に乗っかる腕をよいしょとどかし、体を起こす。視界に入ったのは、全裸で爆睡している海。 びっくりして気が付く。俺も全裸。  ……あー、またやっちゃったのか。  溜息をもらし、手のひらで顔を拭った。  二人で全裸ってすごく生々しい。そもそもなんで全裸? 全裸になる必要性があったのか?   考えたけど答えなどでず、そんな自分に自分でも呆れた。  爆睡の海を見下ろしながら、昨日のことを思い出そうとしたけど、クワンクワンと鈍いぼやけたような頭の痛みに阻止される。 「……なんも覚えてねーわ」  どれくらい飲んだんだろ。そんなにいっぱい飲んだっけ? ……飲んだのかもしれないな……。  シャワーへ行こうとして手を突き体の向きを変え、お尻を半分持ち上げた時だった。ズキッと体の中心に貫くような激痛が走った。 「はうっ!」  腕の力が抜け、そのままベッドに蹲った。  な、なんだこれ、いったいどうなってんだ。  ベッドの上でふるふる震えていると、隣で爆睡していた海が「うう」と呻いて仰向けからうつ伏せへと寝返りを打った。その手が俺を探すように大きくシーツの上を上下に動く。  トンと海の指先がお尻に当たる。海はうつ伏せのままズズッと身体をずらし、俺の腰に腕を巻きつけるとグイと引っ張った。またズキンとした痛みが走る。 「うがっ! やめろって!」
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