11:ふたたび飲み込まれて

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「くっ」  大きく揺すぶられた俺のが海のお腹にぶつかった瞬間、撒き散らす。同時に海がビクビクと痙攣するのを身体で感じた。ドクンドクンと早鐘を打つ心臓の音。ギュウウウッと強く抱きしめられ、海にもたれたまま大きく息を吐き出した。 「はぁっ、はぁ、はぁ、かい、も、だめ」 「……あっちぃ~な……」  海の膝からそっと下ろされ、俺はその場にべしゃんとお尻をつけてへたり込んだ。海は重そうに立ち上がりシャワーを掴むと、俺の体にお湯を掛けながらボディソープを手に取り腹の辺りを洗ってくれた。 「孝宏、大丈夫?」  俺は顔を上げてヘロヘロだったけどとりあえず笑顔で言った。 「あんまり大丈夫じゃないよ」  すごくくたびれて、大丈夫じゃなかったけど、妙な満足感を感じている。  海は俺をギュッと抱き寄せ、回した手で頭を撫でた。 「孝宏がエッチ過ぎて……だから、我慢できなかった。ごめんな?」  海の頭に、頭をくっつけ凭れた。 「エッチ過ぎてとか言うな。海のせいだろ」 「じゃ言い直す。可愛すぎて我慢できなかった」 「どっちにしろだよ」  重たい手を持ち上げて海の背中に回す。 「孝宏が好きなんだよ。早く一緒に暮らそうな?」 「なにも邪魔なんてないだろ」 海は俺の言葉にニヤリと笑った。 「じゃ、アパート契約の解除を大家に言っておけよ? 月末まで待つことないし来週の週末には引っ越し出来るように準備しよう」 「海の家に住むの?」 「そう。俺んちは古民家を買い取ってそこで釜焼きもしてる。部屋数はここよりずっと多いぞ?」 「いいけど。ここは置いといた方がいいんじゃないの? 親とかの手前」 「どこの親の手前だよ? 俺は随分前から結婚する気はないと言ってあるしなぁ。孝宏だって別に期待されてないだろ?」 なんで海まで紗奈と同じこと言うんだよ。傷口をまたえぐられた気分だわ。 「期待してないのと男の家に上がり込むのとは違うんじゃないのか? やっぱり」 海は顎の髭を触りながら「うーん」と唸って、なぜかその顎で俺のおでこをグリグリしてきた。チクチクする。 「イテイテ、痛てーよ!」
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