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「禁忌を犯したお前にこの僕が罰を与えた。焦ったよ、まさか本当に時間逆行をやってのけるとは。君で3人目だ。」
「過去に2人いたと言うのか!そんな話は聞いたことが無いぞ!」
「当たり前だね、もう2千年以上昔の話だ。その2人にも僕が罰を与えた。」
「2千年以上お前は生きていると言いたいのか。」
「だから僕は神だ!不滅なる存在だ!お前のような人間が過ちを繰り返し犯さぬよう監視しているのだ!」
なんだか少年はとても怒っているようだ。
「本当ならぶん殴ってやりたいのだが、今お前が見ているのは実体の無い思念体でね、残念だ。」
「ああ、すごく残念だ。」
リンツィアは少し面白くて笑ってしまった。少年はさらに機嫌を損ねたようで、リンツィアを指さした。この世の者とは思えない、何か気持ちの悪い気配が少年から漂ってくる。
「お前は禁忌を犯した罰としてに歩むべき時間を失い、永遠に現世を生きる。」
「永遠に現世を生きる・・・?」
「そうだ、お前の体は時を刻まず、永遠にそのまま、死することは叶わない。」
「俺の体が・・・不老不死・・・。」
自分で口に出して気づいた。時間逆光の魔術は寿命を代償に発動する魔術。寿命なんていう概念の存在しない不老不死の体ではもう発動することすら叶わない・・・。
「気づいたか。・・・もうお前は時間を遡れない。何も護れない!そもそも時間を戻したところで何も変わらないんだよ!絶望とともに永遠を生きな!」
少年はいつの間にか消えていた。
そしてその日から、王都でリンツィア・トルネールの姿を見た者はいない。
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