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その奇妙な店は、『会いたい人に必ず会う事が出来る』という。
但し、その条件は『決してその人に話しかけてはならない』という矛盾したものだった。
その店には看板がなく、場所もはっきりとはせずもはや都市伝説のような曖昧な情報しかなかったはず…なのだが俺はどういう訳かその店のカウンターに腰かけている。
おかしい。
俺は確かにこの店を探していたが、どうして…どうやってここに来たのか記憶がない。
取りあえず、見回す…う"。
ピンクだ…!
そのカフェは、まさに10代向けの乙女使用でピンクとリボンとフリルやデコレーションが男の入店を堅くお断りしているかのように無言のプレッシャーを発している。
ほかの客はいないのか…?
5人掛けのこの目がちかちかしそうなピンクカウンターの外は、これまたいろいろなキラキラチープなアイテムでデコられたテーブル席が4つと何のためにそこにあるのか分からないもふもふの特大のピンクのテディベアを中心にとにかくピンクなものが所せましと並べられた落ち着きのないカフェだ。
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