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多分、10代とかコアなマニアになら受けそうな空間だが…まぁ、此処までは情報の通りだ_____カタン!
ぼんやりしていた俺は、音に驚きカウンターに向き直る。
そこにはやたらとフリルとレースのあしらわれたメイド服を着た、こんなメルヘンなカフェに似合いそうにない白髪の初老の紳士が口ひげをふそりとさせながらいつの間にかコポコポと湯を沸かす。
いつからそこに?
つーか、なにこのジジィ?
いい年こいてピンクのメイド服とか!
コレが流行とかいう男の娘_____つか、髭! 髭が!!
いや、なにれ?
これからどうすれば?
「ぁ…あの」
「これはこれは随分お若い…お年は?」
ふそりと優し気なテノール。
「ぇ? 一応、35…ってえっと…?」
「ご注文は承っております」
「注文? まだなにも言ってはいないが?」
「もう、しばしお持ち下さい」
カランカラン…。
不意にカフェの戸が開く。
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