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「ぁ」
入ってきたのは、目の下に一円玉ほどの特徴的な赤い痣のある40過ぎの中年太りの太鼓腹にバーコード禿げのいかにもくたびれた男と15・6くらいのセーラー服の艶のある長い黒髪に白く触り心地の良さそうなもち肌の美少女だ。
まさか、アレは!
思わず立ち上がりそうになった俺の腕が、初老の老人とは思えない強さで掴まれる!
「『決してその人に話しかけてはならない』それが決まりでございます」
低く抑えたテノールが、ぴしゃりという。
「信じられない…あんなに小さかったのに…もう二度と会えないと思っていたのに…!」
「ここはそういう店でございますから」
驚きと歓喜に声が震える俺にすっといれたての紅茶が差し出される。
「ぁの…あなたは一体」
「名乗るほどの物ではありませんが、そうですね『マスター』か『ぷりてぃじーじ』とでも___」
「分かりましたマスター」
「ou…」
少し残念そうに髭をふそらせるマスターは、空になったカップに紅茶をそそぐ。
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