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「お望みの方に会えたようですな…」
「ああ、本当に久しぶりだ…最後に会ったのはほんの赤ん坊の頃だったから…大きくなったな…」
俺は、悟られないようにテーブル席に視線を送る。
可愛い俺の子…。
あんな事が無ければずっと傍にいて、入学式も運動会も…誕生日も…!
「さ、もう気が済みましたかな? お戻りはあちらの出口から_____」
マスターは、まるで急かすように俺に言う。
「え?! 待ってくださいよ! まだ! もう少しいいじゃないですか! これを逃したら俺はもう____」
二度と会えない!
「こまりましたな…」
マスターが、困ったように髭をふそらせるが俺はそんなの無視してカウンターから離れテーブル席の方へむかう!
俺の行動にマスターは慌ててジェスチャーしてきたが大丈夫。
気付かれるなんてヘマはしない、これでも元警察官だ尾行は慣れているし座ったのは隣のテーブル…コレで声が聴ける!
俺は悟られないように聞き耳を立てた。
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