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「春川さん!ぜーったい、結婚式呼んで下さいよ?」
涙でぐちゃぐちゃになった鴨井ちゃんが私の腕を強く握る。
「もちろん。だって、大切な仲間だから」
「は、春川さーん!!!」
抱きつく彼女をなんとかなだめて私とゆずは搭乗口へと急いだ。
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「みかんは幸せ者だな」
眼下に広がる東京を窓から覗き込んでいると隣で雑誌に目を通していたゆずが呟いた。
「そうだね。本当に恵まれてる」
大切な仲間。大切な上司。そして…大切な人。
これから色々大変なことがあると思う。仕事でも、プライベートでも。どんな人生が待っているかわからないけど、私は大丈夫。
だってこんなにも素敵な人たちに巡り会えたのだから。
そして…世界で一番大切な人が側にいてくれる。
「それにしても突然結婚するってみんなに言うからびっくりしたよ」
「言って何が悪い」
「まだ親に挨拶行ってなかったから…その後なのかと思ってたから」
「ま、俺は中川さんにちゃんと知っていて欲しかっただけだから」
ばつが悪そうにふいっと視線を逸らす。
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