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私はキャシーさん直々のチームに所属している。私以外に同居人のマイク、そしてレベッカという三人でキャシーさんのスパルタ指導を受けているのだ。
『キャシーさん、こちらは終わりました』
『じゃぁ、これ、チームごとに並べ替えてくれる?』
『わかりました』
指示通り、手渡された前回値の資料をチームごとに並べ替えていく。
キャシーさんといると実の母のように落ち着ける。そばにいてとても暖かい。
ゆずのことで悩んでいた時も優しい言葉をかけてくれた。
でも…
『キャシーさん、知ってたんですよね?』
『ん?なんのことかしら?』
舌をぺろっと出して首をかしげる。
美人なキャシーさんがするとびっくりするほど可愛くて思わずドキドキしてしまう。だけど、そんなことで私は騙されない!
『私の彼氏が留学でこっちに来るって知ってたんでしょう?』
『さぁ、どうかしら?』
肩をすくめてシラを切る。
これは絶対知ってたな。
間違いない。
鼻歌を歌いながら仕事を進めるキャシーさんに何も言うことができなくなってしまった私は、口を尖らせながら自分の作業に戻る。
もう少しでみんなが出勤してくる時間だ。
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