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東京の街は煌びやかで眩しい。そのせいか星が霞んで見える。もちろん日本は好きだけど、夜空はミネソタの方が好きだ。
『本当にごめんなさい。今まであなたにしたこと、許されることじゃないってわかってる。でも…どうしてもちゃんとあなたに謝りたくて』
揺れる瞳。いつもきりりとした表情のテイラー先生とは違い、申し訳ないことをしたという気持ちが滲み出ていた。
『もういいですよ。私は怒っていません。もちろん怖かったけど…もう済んだことですから』
『以前はわからなかったけど、今ならわかるわ。なぜ柚希はあなたを選んだのか…』
まだ寒さが残る早春。少し冷たい夜風が私たちを包んだ。テイラー先生の綺麗な金髪が風になびく。
『私、今まで振り向かなかった人はいなかったのよ。好意をアピールしたら相手も私を好きになってくれる。そんな恋愛ばかりだった。柚希を一目見て好きになったわ。だけど彼は私がどんなにアプローチしても振り向いてくれることはなかった…。いつも春川さんの話ばかりしていたのよ。彼』
美貌も知性もずば抜けたテイラー先生のことだ。振り向かない男性がいるわけない。だけど、ゆずはテイラー先生の誘惑に惑わされることなく私のことを………でも、私にそんな魅力があるのだろうか?
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