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ミーティングが終わるといつものように業務が始まる。
『モーガンさん、どうぞ』
患者さんを呼び入れ、エコー検査を行う。
エコー検査と一言で言ってもいろんな種類がある。
心臓や腹部、血管、乳腺など。その中で私は心臓の分野を専門としている。
『春川です。よろしくお願いします』
『お願いね』
このアメリカにしては珍しく細身で小柄なおばあちゃん。
横になったモーガンさんにエコーゼリーを付けたプローブをあてる。
心臓、と一口に言ってもとてもたくさんの病気がある。そしていろいろな角度から心臓を見ていく。モーガンさんは肥大型心筋症という特殊な病気を患っていた。心筋の一部が肥大してしまう病。場合によっては突然死を招くこともある。
手早く、正確に、そして綺麗に。
これが私のモットー。
いかなる時も冷静に、検査に従順であれ。
これが日本で私に心エコーを教えてくれた中川さんの教えだ。
圧較差、前より高くなってるな…
MRもさらに悪くなってる。
※MR:僧帽弁逆流
どんなにヤバイ状態でも平静を装って何もないかのように検査を進める。検者が慌てふためいていては患者がどんどん不安になってしまうからだ。
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