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なんとか着替えを済ませ、フラフラと共同スペースであるリビングへと向かった。
木目調のこの家は平屋建て。広いリビングとダイニングがあり、4つの部屋が付いている。それぞれの部屋に一人ずつ、四人で共同生活を送っている。
『おはよー』
『おはよう、みかん』
長いブロンドの髪を後ろでひとつにくくり、笑顔で視線を送ってくれるサラ。料理が得意でなんでもできるサラはこの家のお母さんのような存在だ。お母さんと言っても私より二つ歳下なんだけどね。
『相変わらずすげー寝癖だな』
サラダをフォークでつつきながら私の寝癖を馬鹿にするのはマイク。彼も私と同様、検査技師として働いている。エコーチームで共に働く同僚だ。
『マイク、あんたの寝癖も相当だと思うけど』
『うるせー』
いつもこんな風に賑やかしい朝。少し前まで三人だけだった朝に
『おはよう』
『おはよう、ゆず。コーヒー、ブラックでよかったんだよね?』
『うん、ありがとう。サラ』
ゆずが加わった。
4人で新たに始まった共同生活。
不思議な気もするけど、本当の家族みたいで私は結構好きだったりする。
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