ケモ耳SS 4 愛されている

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 その話を母にしたのはまだガキの頃で、貴方とこういう関係になる以前のことなのに。 「だって、大和のそばは心地良かったから」 「……」 「一番、好きな場所だったし。それに、大和は大事にしてくれそうじゃん。すごい可愛がってくれそう」  歩が起き上がると、また鈴がチリンと揺れて鳴った。 「だから、猫になりたいって、思ってた。ずっと」  ひとつキスをして、また鈴が鳴る。 「だから、これ見つけて、思わず買ってみたけど」 「……」 「でも、やっぱ猫じゃなくていい」  笑顔で首を傾げて、今度はしっとりと唇を重ねる。 「猫じゃ、大和の右腕にはなれないし、仕事でも隣にいることはできないだろ?」 「……」 「大和のこと、好きなんだ」  独り占めしたいと囁く貴方の甘い甘い束縛は、気持ちイイ。 「家族で、恋人で、あと、仕事でもパートナーになれば、血でも、身体でも、全部、一緒になれる」  まるで、貴方の中に根元まで突き立てた時みたいに身震いした。 「大和、中、して?」
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