18人が本棚に入れています
本棚に追加
一夏はアラドに連れられ、会議室らしき場所に連れてこられた。そして一夏とアラドは腰掛け、面と向き合い会談を始めた
アラド「まずは自己紹介からだな。俺はアラド・メルダース。デルタ小隊の隊長だ」
一夏「俺は一夏。織村一夏だ。対談の場所と時間を作って下さった事、感謝する」
アラド「意外と礼儀正しいんだな。さっきとは別人みたいだな」
一夏「俺は軍は信用しないが貴方は信用できる人だと判断したからだ」
力で従わせるわけでもなく、わざわざ自分の母艦に歓迎し、こう言った機会を作ってくれるアラドに一夏は信頼を寄せていた
アラド「そう言ってくれると嬉しいもんだな。んじゃ本題と行こうか。名前はさっき聞かせて貰ったがお前さんはどこの軍に所属してるんだ?」
一夏「俺はどこの国の軍にも属していない。言うなれば傭兵…雇われ部隊だ」
一夏は転生を果たし、戸籍などの所有は無かったが傭兵ということにしておけば話の辻褄を合わせることも出来ると取ったのだろう。
アラド「傭兵か。となると家族は…」
一夏「いない。すでに他界している」
アラド「っとすまんな。今のは野暮だったか」
一夏「気にするな。それに俺は過去との踏ん切りはついているため、気にしていない」
アラド「強いんだな…それじゃあ次だ。あの機体はどうしたんだ?」
一夏は心の中でそう来たかと思い顔に出さずに話を聞いた。自分の事を誤魔化すことは出来ても、あの機体、ウイングダブルゼロの事となるとそう簡単に誤魔化すことは出来ない事を。そこで一夏は
一夏「あの機体は両親から受け継いだものだ。俺の両親は技術者…主に軍用機の開発の第一人者だった。あの機体は極秘に開発されていたが情報漏洩が原因で他国からの強奪襲撃に合い、その時に俺の両親は殺され、俺にあの機体を」
アラド「なるほどな。そりゃ他人や軍を簡単に信用できないのも納得がいくぜ」
一夏「・・・」
一夏は心の中では罪悪感を覚えていた。ウイングダブルゼロは元々この世界には存在しないはずの機体。だが自分の唯一の力であるウイングダブルゼロを失わないためとは言え、他人を騙す事は一夏自身に罪悪感を与えていた。しかし今は割り切り、話を進めていた
アラド「それであの機体を使って傭兵稼業をやっていたと言う事か」
一夏「そういう事になる」
アラド「一夏だったな?これからお前さんはどうするつもりだ?」
最初のコメントを投稿しよう!