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空の色は淡く滲んでゆく
夢の色
ほんのりと遠くに見えるのは
街の灯りか
それは消えそうで消えない
仄かな灯火
そして朧ろ世界は黄昏の中
夕空の色に染まる
逢魔が時からその身を隠す様に
暮れなずむ空へと溶けてゆく
間もなく瞬く星々の奏でるセレナーデと共に
夜空が開幕する
そして夜は静かで綺羅びやかで優しい
深夜の月影の下でのノクターンは
やがて子守唄へと変わってゆく
寝付けなかった想いは
夜明け前の全てが止まる空白の一瞬に
透き徹った空に吸い込まれて
何事もなかった様に朝を迎える
何ひとつとして確かなものなどなかった
朝になると不確かな世界を
鈍色の雲に覆われた空が
そっと包み込んでいた
太陽はその遥か彼方だ
ふとそんな空を
いつまでも見つめていたいと思う
眠りの果てを
見届けてみたいと言う欲求
だから時おり
無駄と知りつつ
寝た振りをしてみる
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