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ならきっと、どっちかだ。っていうか伏野さんだ、この人。
そう思ったのは俺をデスクに押し付けたままいつものように太ももに手が滑らされたからだ。
ついに俺が納得できない事態に陥ってしまうのか。
限度ってものがあるんですよ、超えちゃいけない一線てのが!
せめていきなり大声でも出すか。もういっそ『わっ!』とかでもいい。
今どっちかっていうと驚かされているのは俺だけど。
なにかしらリアクションを起こせばちょっとはためらってくれるだろう。
そう思って口を開けるが声が出ない。
別に怖くてどうこういう訳じゃない。緊張もしていない。
むしろ今すぐに叫びだしたい気持ちでいっぱいだった。
なのに声がどうしても出てこない。
喉に何か詰められているんじゃないだろうかという圧迫感。
何も存在しないのに息苦しい。
そういや目も開けられない。
どうして。俺の身に何が起こっているっていうんだ。
薬でも盛られたか?いや、そんな訳はない。怪しい物を貰った覚えはないし。
指の一本も動かせない中、相手の辿る先は太ももから尻や膝と様々に移動する。
膝裏をくすぐったかと思えばそのまま下へ伝い踝の骨を確かめるかのように力を加えぐりぐりと撫でさする。
足フェチかなんかなのか……素肌に直接触れられるのは流石に寒気がする。
…………ん?
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