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「んちゅ、れるぅ……ちゅ、むちゅ……ちゅ、ちゅぱ、ちゅぅ……」
奥手だと思っていた遥奈の積極的なキスに、貴之の頭の中は混乱してくる。これは夢じゃないかとか、実は目の前の女の子は別の人物なのじゃないかとか、現実逃避的な思考が湧き上がってくる。
しかし、目の前で淫らなキスをしているのは、他でもない、幼馴染みの茅野遥奈だ。
「ちゅ、れろれるぅ……ちゅ、ちゅ、むちゅ……」
ようやくキスが終わり、ふたりは唇を離した。これで少し正気に戻った貴之だったが、
「ん、ちゅ……先生のツバ、もっと飲ませてください……」
信じられないことを言う遥奈。それに全く驚くことなく立花は薄く微笑む。
「まるで、お腹を空かせた小鳥だね……ん」
口内で唾液を溜めて、遥奈の口の中に舌を通して飲み込ませていった。
「ちゅ、せんせぇ……ちゅ……ぢゅる……ぢゅゅゅっ……んくっ、こくっ……」
クローゼットからでも分かるぐらいに、遥奈の喉が動いていた。
(こんな卑猥なキス……明らかに初めてじゃない……)
この一ヶ月半──貴之が告白を出来ずにいる間に、ふたりの関係はすっかり進んでしまっていたのだ。毎日一緒に帰っていたのに、大好きな、大切な幼馴染みが、自分以外のものになっていることに、貴之はまるで気が付かなかったのだ。
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