悪夢

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「せんせぇ……早く勉強しようよぉ……」 見ていることしか出来ない貴之を嘲笑うかのように、遥奈は甘えた声で立花に懇願する。遥奈の言う『勉強』が、本当の勉強ではないのは明らかだ。 「ふふ……じゃあ、いつものように、復習から始めようか」 「はぃ……復習すき……すきっ」 まるで小さな子供になったかのように、年上の家庭教師に甘える遥奈。だがそれは、立花の記憶にある幼馴染みの姿ではなかった。子供の頃の遥奈は恥ずかしがり屋でもっとおとなしかった。いつも、親か貴之の後ろにくっついていたのに──、 「あぁあんっ、む、胸を……ん……んぁ……くはぁ……」 遥奈は完全に立花に身体を預け、服の上から胸を揉まれ始めた。それを見ながら、貴之の体は絶望に震えていた。比喩ではなく、本当に震えてしまっているのだ。 甘い嬌声が耳に容赦なく響く。胸が締めつけられ、心が壊されていく。 「あ……裕也さんの、すごく大きくなってる。うれしい……」 手を伸ばし、立花の股間部分を優しく擦る遥奈。たじろぐどころか、うっとりした笑みを浮かべる遥奈は、もう男のその部分を見知っているかのような反応だ。
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