30人が本棚に入れています
本棚に追加
/82ページ
すっかり肩透かしをくらった形になった貴之は、その後は他愛のない話をして家路を歩み、いつものように遥奈の家の前で別れた。
「じゃあね、たかくん」
「うん、また明日な」
遥奈が家に入るのを見届けてから、貴之は隣にある自分の家の玄関のドアノブを掴んだ。家に入ると、居間のソファに鞄を放り投げ、それから盛大にため息をつく。
(タイミングが悪かった……でも、まぁ……告白なんていつでも出来るよな)
──そう、いつでも出来る。告白なんて、いつでも……。
最初のコメントを投稿しよう!