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「うん。これからよろしくね」
貴之は心に幸福感が満ちていくのを感じた。
再度、遥奈を抱きしめる。
「もうっ……そうだ、たかくん」
「どうしたの?」
名前を呼ばれる。
幼馴染みとしてでなく、恋人として。
それだけのことが、何故か嬉しかった。
遥奈は悪戯っ子のように微笑むと、口を開く。
「浮気したら駄目だからね?」
恋人として何の違和感もないはずのその言葉。
何故か貴之は背筋に悪寒が走った。
「もちろん」
悪寒を振り払うように、願いを込めて。
「遥奈も浮気するなよ?」
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