処女

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慣れ親しんだ自分の部屋だからか、或いは2回目だからか、初めての時より鼓動は落ち着いていた。 薄らと目を開くと、目を閉じたままの遥奈。 愛おしさが込み上げる。欲望に後押しされるように、そっと彼女の背中を抱き寄せる。 「ぁんっ……」 甘い呻きが漏れ、唇が離れる。 赤らんだ頬、物欲しそうな瞳。 抵抗する素振りもなく身を委ねる遥奈に、微かに苛立ちを覚えた。 強引に唇を重ねる。 吸い付きながら、上唇下唇を交互に食む。 欲望が昂り、股間に熱が込み上げていくのを感じた。 両肩に手を添えられ、唇の動きを止める。 強引過ぎたかと罪悪感を覚えるが、すぐに不要の心配だと知る。 「──!」 一瞬、唇が離れたかと思えば、今度は遥奈から重ねられた。感じたことのない感触が口内を襲う。 舌を入れられたと理解するのに時間がかかった。 貴之の舌には中々触れず、歯列や口内をなぞるように器用に這う。 貴之を誘うように、焦らすように。 ディープキスの経験がない貴之でも分かる。 明らかに『慣れてる』ような動きだった。 (遥奈……あの家庭教師に……) 悔しさが込み上げる。 誤魔化すように自分からも舌を這わせる。
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