30人が本棚に入れています
本棚に追加
慣れ親しんだ自分の部屋だからか、或いは2回目だからか、初めての時より鼓動は落ち着いていた。
薄らと目を開くと、目を閉じたままの遥奈。
愛おしさが込み上げる。欲望に後押しされるように、そっと彼女の背中を抱き寄せる。
「ぁんっ……」
甘い呻きが漏れ、唇が離れる。
赤らんだ頬、物欲しそうな瞳。
抵抗する素振りもなく身を委ねる遥奈に、微かに苛立ちを覚えた。
強引に唇を重ねる。
吸い付きながら、上唇下唇を交互に食む。
欲望が昂り、股間に熱が込み上げていくのを感じた。
両肩に手を添えられ、唇の動きを止める。
強引過ぎたかと罪悪感を覚えるが、すぐに不要の心配だと知る。
「──!」
一瞬、唇が離れたかと思えば、今度は遥奈から重ねられた。感じたことのない感触が口内を襲う。
舌を入れられたと理解するのに時間がかかった。
貴之の舌には中々触れず、歯列や口内をなぞるように器用に這う。
貴之を誘うように、焦らすように。
ディープキスの経験がない貴之でも分かる。
明らかに『慣れてる』ような動きだった。
(遥奈……あの家庭教師に……)
悔しさが込み上げる。
誤魔化すように自分からも舌を這わせる。
最初のコメントを投稿しよう!