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「脱がせてあげるね」
そう言うと、遥奈は手慣れた様子でボタンを外していく。
あっという間に半裸にされた。
「たかくんの身体見るの久しぶりだね」
「そうだね。去年プールに言った時以来だっけ」
去年の夏休みを思い出す。
ふたりで新しくできたプール施設に遊びに行った時だ。
一番に思い出したのは遥奈の水着姿。
あの時の彼女は、いつにも増して大胆な水着を着ていた。
「実はあの時、結構頑張ってたんだよ?たかくんを振り向かせようって」
頑張った、とはおそらく水着の事だろう。
「それは……悪いことしちゃったかな?」
「本当だよぉ。もうっ」
あの日貴之は、遥奈の水着姿を見た瞬間勃○した。
隠すのに必死で気の利いたことを言えなかった。
「あれ?振り向かせようってことは、遥奈はその時から……」
「うん。たかくんのこと好きだったよ」
頬を赤らめながら告げられる。
予想外、ではなかった。貴之もいつの日からか、両思いかもしれないという予感はあった。
しかし関係が変わることを恐れて、告白に踏み込むことはできなかった。
そのせいであんな──
(また……っ!気にしないって決めただろ!)
どうしても思い出してしまう。あの日の光景を。
振り払うように遥奈を押し倒す。
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