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孤高だったシンがタマやポン太をアテにすることも驚きだが、それより校長に言われ放題言われて、シンが怒りださなかったことにも、ポン太はとても驚いている。 昔のシンを知る者からすれば、もう鬼の撹乱だ。 「ツボミのお陰だよ」 タマは言う。 「ツボミに人間の言葉ひとつを理解させるのに比べたら、あんな校長の屁理屈ぐらい、すっげぇ可愛いものだ」 ……ツボミは、一体どんな幼少期を送ったというのか。 育児なんて、ツボミと過ごした2ヶ月しか経験のないポン太だから、タマに言ってやれる言葉も見つけられない。 「それに、ここはツボミの学校だ。しかもシンさんに言わせれば、入学してから結構上手くやっているらしい」 あの自己主張の激しいツボミが? 聞いてみたいポン太だったが、今さっき流れた年月を実感させられたばかりだ。 だから黙っている。 「ツボミが大切にしている場所だから、シンさんだって大事にしてるんだよ」 「!」
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