彼方より~

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これは、ある宇宙船の中の出来事 円盤状の滑らかな未確認飛行物体の中には二体の未確認生命体。 性別は男女一体ずつ。 肝心な風貌ですが、地球の語彙力では説明できそうもありません。 不甲斐ないばかりです。 この二人の未確認生命体の容姿は、皆様のご想像にお任せするほかないようですね。 目も眩むような美男美女か? はたまた、頭でっかちな銀色の宇宙人か? 全て、あなたのご想像にお任せします。 ◇ 「お嬢様、そろそろ第8935014番太陽系に到達いたします。『地球』への着陸の準備を」 「・・・・メルジェラ、私の事はアクルスプル惑星間外交局総統閣下、ロニエッタ=ローニエンタと呼びなさってよ いえ、それでは長くて口が渇いてしまいまするわね『ロニエッタ総統閣下』そう呼びなさってちょうだいませ。」 「・・・申し訳ありません。しかし、おj、ロニエッタ総統閣下。」 「なになのですわ?」 「ロニエッタ総統閣下が、起床時間にピッタリと目を覚まし頂ければ、わたくしめも、ロニエッタ総統閣下が総統閣下であるとハッキリと感じることが出来るのですが、今朝のように、いえ、いつも通りお腹を出して寝転けていると、目の前にいるのがいつもの愛らしいお嬢様であると感じてしまうのです。」 「・・・・・うるさいなのですわー!」 「私が、腹を出していようとも!料理の野菜が苦くて食べられなくとも!今、この瞬間!私とあなたは上司と部下!お屋敷のように、執事とお嬢様という関係では断じてないのですわー!」 「・・・・・申し訳ありませんお嬢様。」 「・・・・ふむ、わかればいいのですわよ」 「・・・・今日の朝御飯にピマーンを使わせていただきます。」 「そんなぁ・・・・いまから、メニュー替えられない?」 「申し訳ありません。仕込みも終わっていまして、ピマーンの肉詰めを作らせていただきます。」 「肉だけでいいよー・・・・いいのですわよ」 「総統閣下、いえ、お嬢様」 「・・・・!、食べますわよ」 「感謝しますね・・・総統閣下」 呼び方が変わるとロニエッタは嬉しそうに微笑みました。 それに気づいたメルジェラも小さくバレないように微笑んだのでした。
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