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◇
「お嬢様」
「総統閣下!」
「・・・・ロニエッタ総統閣下。あと一つで完食です。頑張って下さい」
ロニエッタは可愛い顔に皺を寄せてピーマンの肉詰めを頬張っています。
「うーー、これで最後、ですわよ!」
一口で最後の一欠片を飲み込みました。
「総統閣下。良く頑張られましたね」
「ふふっ、わたくしを舐めないことね~私にかかればお茶目な子散々よ!」
「『お茶の子さいさい』でございます。総統閣下。」
「む、うるさいですのよ。それで、あとどれくらいで地球に着くのですわ?」
「・・・・おおそよ、1時間くらいでしょうか」
「中々かかりまするわね。まだ着陸準備なんてしなくて良かったのですって?」
「いえいえ、着陸準備は何も身嗜みを整えるだけではありません。・・・・そうですね、これから向かう地球の文化について予習をしておきましょう。」
「予習ですの?」
「はい。総統閣下は、いまから我々が降り立つのは地球のどの国家か覚えてらっしゃいますか?」
「馬鹿にしないで欲しいのでするわ・・・・『ニッポリ』ですわ」
「そこまで限定的ではござりません。『ニッポン』でございます。」
「なによ、さして変わらないじゃないの・・・・しかし、まだ地球人は国家で星を分けているですのね」
「ええ、仕方がありません。彼等の中では狭き地球が世界の全て、そこに衛生が少し加わっただけで、彼等の視界は狭い他なりません。
『惑星は生命が住むのには狭すぎる、然し宇宙は広すぎる』
古い言葉ですが、的を射ています。」
「宇宙の広さを前には、星をまとめなければいけない。それだけは確かでするわ。でもそれだけじゃ足りない。この宇宙を一つにする、それが私の夢ですの」
「総統閣下。」
「少し感傷的になってしまったなの。しかし、なぜニッポンなのかしらね、アメリカが地球の中心ではなくって?」
「アメリカが中心なのは確かですが、あの国は宇宙人に対しての価値観が極端というべきか、なんというか。まあ、宇宙人を撃退する映画が非常に多く作られている国なのです。」
「まあ、野蛮極まりないのでするわね。」
「対して、ニッポンは宇宙人に対しての価値観が非常に平和的だと調査でわかっています。」
「平和的?」
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